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2006年10月21日 (土)

言葉が人を迎え入れる「言葉の翼」(幸敦子)・カリグラフィー詩画集

Dvc00119  今回のブログは、幸敦子さんのカリグラフィー作品集「言葉の翼」についてです。

 「カリグラフィー」はご存知ですか。
「西洋の書道」で、専用のペンを使って美しいアルファベットを書く技術です。でも日本の書道とはだいぶ違います。

 例え話ですが、同じ西洋由来のガーデニングは日本庭園の影響を受けたと聞きました。でも庭いじりという同じものでも、この二つの印象はだいぶ違います。ガーデニングの方が華やかですよね。
 印象としてですが、日本庭園では、幹や枝や葉も花と同じように鑑賞するけれど、ガーデニングは、花こそが主役という感じがします。四季の自然を庭に取り込むというよりは、花が目的。

 日本の書道と西洋のカリグラフィーでも、それと似たような印象を受けます。書道では、文字に装飾はつけない。筆の通る筋である文字自体を鑑賞し、その筆あとを見て、筋がいいとか、勢いがあるとか言うわけです。そこに、特別に飾りをつけて美しくするという考え方はない。つまり書道は、緑色や茶色の草木自体を味わう日本庭園と似ているように思うわけです。
 でもカリグラフィーのアルファベットは「線」なので、書道のように太い筆あとそれ自体を表現的にするのとは違い、どんな図形的な加工、装飾を加えるかが腕の見せ所、という感じです。
 草木の線に美しい花を咲かせて楽しむ。まさにガーデニングではありませんか。
 もっとも、カリグラフィーは修道院の写本で育まれたようですから、教会が美しくあるのと同様の意味があるのでしょうし、最も人間らしいものである「言葉」、それも自分を表す言葉に美しさという意味を持たせるところは、「愛」をもとにした考え方があるのかもしれません。

Unknown  彼女のエッセイによると、この「言葉の翼」は、そもそもあった十の言葉を、カリグラフィーにしたものだそうです。最初は「未=unknown」。

 『未というのは未知の未でもあるし、未来の未でもあるけれど、いずれにしても今はまだわからないという概念から選びました。
 私はあまり前向きに考えられるほうではありません。過去の失敗にいつまでもくよくよしてしまったり、まだ起きていない先のことを心配したり・・・
 そんな自分を戒め、励まそうと思いました。
 未来のことはまだわからないのだから、そんなことに心を砕くのはやめようと。それよりも今を精一杯生きよう、この瞬間を楽しもうと。そうすれば、先のことを心配する暇もなくなるし、positiveに物事を捉えられるだろうなと思いました』

 彼女は、自分を表わす言葉のひとつ「未」を描き、さらに詩画集にしました。それはそれまでの自分に区切りをつけて、さらに進むためのすてきな儀式のようにも思えます。

 日本では、いろいろなものを「~道」にして地道にやっていくのが基本なのかもしれませんが、日本人といえども女である側の人には、美しく着飾って今の自分を肯定し、過去の自分に区切りをつけていくという西欧流のやり方が、ひょっとすると合っているんじゃないでしょうか。
 そもそも美しさというものに無縁、しかも目も髪も黒一色の日本の男族には真似のできない流儀でしょう。

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