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2008年2月29日 (金)

そして自由は残った

Dvc20092_2  2月のある日、「風紋」という飲み屋に行きました。
粕谷一希氏の77回目の誕生日、喜寿の会が開かれたのです。
「5時から10時の都合のいい時間に」というその会には、
氏の知人や身内の方々が、入れ替わり立ち代り来られて、
年配の人を中心に声をかけられたようですが、
ずいぶんの数の人が集まりました。

 風紋というのは、新宿5丁目、御苑大通りから、
靖国通りに平行に走る医大通りに入ったすぐのところにあるバーです。
かつては文壇バーとして、
聞けば皆が知っている著名な作家や、また編集者たちが集まるバーだったようですが、
2回ほど引越し、いまは、こじんまりとした飲み屋、という印象です。

 写真はその入り口で、看板に見える「風紋」という文字は、
「田村義也という装丁家の字だよ」と、
帰り際に(ケータイ)カメラを構えていた私に、
やはり帰ろうとしていた作家の一人が、教えてくれました。

 硬派雑誌の編集長であり、また装丁家としても活躍した人だそうで、
見れば、あああのカバー、と分かる装丁です。

 昔の新宿は、一種の文化的なメッカだったそうです。
文化人や歌をうたう熱い人たちが集った「どん底」とか、うたごえ喫茶「灯(ともしび)」とか。
文壇バーがあるこの医大通りも、奥の方の曙橋にフジテレビがある栄えた時代もありましたが、
いまは、同じ医大通りのノアノアのマスターの言葉を借りれば「忘れられた商店街」なのでしょうか。

 靖国通りをはさんだ反対側は新宿の2丁目で、
通り沿いにあるベローチェは、オカマさんたちでいっぱいです。
店員のあっさりした感じと、「華やか」な声と、
時々はハメはずしますが節度はわきまえてます、という感じがあいまって
店内は、自由を絵に描くとこんな感じになるかもしれない、という雰囲気です。
自由を許す雰囲気が、新宿には残っているのではないでしょうか。

 どん底や灯があったころ、歌声喫茶や酒場で歌われたのは、ロシア民謡だと聞きます。
ある種、革命前夜っぽいノリを持った新宿は、体制側に対する、一種の自由空間だったのかもしれません。
 高校時代の世界史の先生が、ロシア民謡は暗いのに、訳された日本語の歌詞は希望に燃えていて明るい、
というような話をしてくれた記憶があります。

 「意訳」による文学的な新宿革命は起きず、
ロックの殿堂も、ジャズのライブハウスも、エロのメッカも、日本文化や経済に組み込まれてしまった中、
彼女たちが新宿の自由を受け継いでいるのかもしれません。

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