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2008年12月29日 (月)

『死者のゆくえ』を訊かれたら

Shisyanoyukue  岩田書院の『死者のゆくえ』(佐藤弘夫著)は、日本人と死後の世界との遠近感を、あるいは重なりを、きれいに整理してくれます。
たとえば、私たちは戦死した人の遺骨を海外に拾いに行くほど骨=遺骨を大切にしますが、それは、わりと最近のことで、平安時代には、霊魂を重視した結果、抜け殻である肉体については風葬のようなものでもあったこと。
中世においては彼岸という遠いところを目指し、そのための準備期間でしかなかった現世に、もう一度、死後の安穏の地を作り直したものが墓地であること、など、現代の私たちの行為に、整理した意味を与えてくれます。

「たとえば、記紀神話を考えてほしい。イザナミが死んで向かった黄泉の国は、イザナギが徒歩で赴くことのできる場所だった」
「『高名な修行者であり、浄土に往生したと信じられていた教信ですら、死亡直後にその遺骸を犬に食い荒らされるような状況にあった。ここにもまた、私たちは遺体に対する驚くほどの無関心を読み取ることができるであろう』」
「しかし、中世後期における世界観の変容は、当然のことながら人々の死や救済の概念にも決定的な影響を及ぼした。死後往生の対象としての彼岸世界の観念が色あせ始めたいま、死者の行くべき地は、もはやこの世と隔絶した遠い浄土ではなかった。人は死して後もなお、この世の一角に留まり続けるのである。その寄り代となったのが、遺骨でありその所在を示す石塔=墓標だった。」

 俎上には仏教や、キリスト教の世界観、現代人の墓参り希薄感などが並べられ、吟味されています。
いつかは必ず死んでいく私たちの最期には、きちんと整理された頭で、この世を去りたいもんであります。

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水辺と森と縄文人
解説★国立歴史民俗博物館・東北歴史博物館・新潟県立歴史博物館編■縄文時代の新しい年代観確立を背景に、木製品、漆製品うあ水場遺構などが残る低湿地遺跡を取り上げ、縄文文化像を再検討する展覧会のパンフレット。
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