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2009年5月31日 (日)

動画の時代

 ユーチューブの成功が物語るように、
インターネットも、静止画でサイトを飾る時代から
動画を載せる時代にしだいに変わりつつあります。

 でも人生がもし、痛みや快感つきの動画であるとすれば、
自分の人生のほとんどが退屈な、あるいは不安な、
また他人の欲を満たすために仕事で苦労している日々の動画で、
それを何十年も見続けていることになります。
この動画を支配しているのは、たまーに起こる快感への希望でしょうか。

 休憩時間は夜にやってきて、パジャマに着替えますが、
休んでいても動画を見ることもあります。夢というやつです。
結局、寝ても覚めても動画なのであります。
自分が動画なのですから、仕方ありません。

 私たちはこれまで、静止画を大事にしてきました。
アルバムに貼って、折を見ては見返したり、
携帯の待ち受け画面にしたり、額に入れて居間に飾ったり。
この100年間、静止画は、動画である人生の一部を切り取った、手軽に扱える思い出でした。
一瞬は、100倍してもやはり一瞬で、取られる側も見る側も一瞬ですみました。

でも、動画はそうはいきません。
時間もかかるし、エネルギーも使う。
つまらない写真・静止画は、黙殺すればすむのに
わざわざ赴いた旅やイベント(という動画)や、
今週の30分のアニメがつまらなかったりすると「返してくれ」。

見たものがつまらない動画だと、とてもがっかりします。
それは30分の動画を見ることがすなわち、30分の人生だからでしょう。

一方、面白いと、何回も見てしまいます。
だって、そうすること自体が楽しい人生なんですから。

動画の時代とは、その部分だけ自分と他人の人生を差し替える時代、というか
見る動画の数々に、自分の人生をのっとられる時代なのではないでしょうか。

<このブログは ハイブリッド書店スピークマン-hybrid bookstore speakman- がおおくりしています>

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