21世紀の本の香り
2009年8月29日。第一回西行学会が開かれ、懇親会も30人以上の出席者で行われました。
場所は渋谷の國學院大学。
西行といえば、もともと歌のうまい武士で、失恋か何かを契機に若くして出家、新古今和歌集にも90首以上入っている歌の名人です。
「願はくは花の下にて春死なん、そのきさらぎの望月のころ」という歌そのままの生き方をしたとされています。
でも私は、新しく作る「作家・著者ブログサイトG」を宣伝するために伺ったのでした。
つまり、歴史学や民俗学、文学の本の読者であり、著者である先生方に、「今度本を出版されるときは、このGサイトでブログを書いて宣伝してください」と言うために。
でも、あ~、マイクを持って宣伝までさせていただき、さらに半分くらいの先生方に「先生の本を出すときに、ブログで一言書いてください」と直接声をかけましたが、「ブログですか、いや~、書いたことはないですよ、すみませんね」という答が99%。14人目に奈良の大学の先生で、プログラムコードも書けるという女性がいましたが、「ウィルスやハッカーが怖くてブログはやらない」とおっしゃていました。
15人目に声をおかけした比較的若い先生は、「パソコンは使いますよ。ハハ。ネットにはつながってなくて、自分の家と研究室のパソコンをフロッピーディスクに入れて往復するだけです。論文だけですから」と笑っていらっしゃっいました。
以前、中公の編集長だった粕谷さんが「文学とコンピューターはまったく関係がない」とおっしゃっていましたが、う~ん、その中でも国文学は最も関係がないかもしれない。
(国文学だけでなく、歴史学や宗教学など様々な分野の業際的な学会としてこの西行学会が立ち上がったそうです。さいぎょうを逆さに読むとぎょうさいですから、なるほど、そうなんでしょう…ぉぃぉぃ)
でも皆さんとても暖かくて、近くにいらっしゃった橋本先生にかくかくしかじかとお話したら、中心の西澤先生につないでいただいて、その西澤先生が、司会の人にブログを宣伝したいそうだから、させてやってくれ、とおっしゃってくれたのです。
あ~そうそう、もちろん「岩田書院さんでお世話になっているスピークマン書店です」と申し上げて、OKをいただいたわけです。
皆さん、世界は変わっている。大きく。
グーグルが著作権無視で絶版本を公開するし、アマゾンはもうすぐキンドルを持ち込んで日本の出版の主要勢力になろうとしている。本のその過半数が、本の姿であるのは、あと何年、十何年、でしょうか。
その時、ブログは直接、キンドルのデータにリンクするかもしれない。20世紀の常識は、まもなく戦争と革命の時代・20世紀型人間の生き様として、歌で詠まれようになる。
「願はくは本の下にて春死なん、そのきぎの香の望月のころ」
<このブログは10万円代の自費出版、3万円代での絶版本の復刊、在庫本のリンク、一般商品の販売を行うハイブリッド書店スピークマン -hybrid bookstore speakman- がおおくりしています>
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